本城 慎二 特任教授
共通科目
生徒理解の望ましい在り方の研究
教師と生徒が相互理解を深め信頼関係を築くことは、教育の場においてとても重要です。そのために教師に求められる力が、どのようなものかを考えています。教員インタビュー
Q1
学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
大学2年の春、高校の同期とばったりキャンパスで出会い誘われたのがきっかけで、障害のある子どもたちを土曜日の午後にお預かりして一緒に遊ぶサークルの活動にのめり込みました。その結果、中学の英語の先生になろうと思っていたのに特別支援学校の先生になりたいと思うようになり、卒論もその分野で書きました。卒論のために通っていた特別支援学校の先生に、採用試験を高校の英語で受けて特別支援希望と伝えた方が特別支援の先生になり易いと言われて高校で受けたのですが、結果として商業高校に配属されてしまいました! ショックでした。でも高校には高校の課題がたくさんあり、結局、その後約40年、いろんな高校で働いてきました。そして何故か今ここにいます! あの日キャンパスで、彼と偶然出会わなかったら???。もし養護学校に配属されていたら???。そう思うと、人生って不思議だなって思うこの頃です。
Q2
先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
高校教師の駆け出しの頃、担任を持ったクラスの48人中、なんと8人が不登校になってしまいました。自分としてはベストを尽くして毎日のように電話をしたり家庭訪問をしたり保護者の方とお話ししたり、若造なりに精一杯やったつもりでしたが全く歯が立たず、子どもたちは私のクラス、そして学校から去って行ってしまいました。自分の力不足を痛感し、それ以来カウンセリングを学び始め学校での仕事の後に夜間の大学院に通って勉強しました。学校の教師としてカウンセリングをどう現場で活かしていけるのかが自分にとってはずっと変わらずに大きなテーマとしてあります。先生たちが少しでもカウンセリングの中核となる態度を理解して身につけることができていたら学校の中で起きる悲しい出来事のいくらかは防ぐことができていたのではないかと考えています。
Q3
研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
高校生が自分の進路を決めていくプロセスについて研究してきました。ほんの些細な出来事でも様々な感情が湧いてきて、それが自分自身のことや将来のとらえ方に影響を与えてしまう事ってありますよね。特に高校生の年頃は、日々、様々なことに、こころの揺れ動くことの多い時期だろうと思います。そんな彼らに伴走しながら、彼らが健やかに学校生活を送り進路を決めて卒業していくことを、どうサポートすればよいのかを考えてきました。今、現在は、そんな支援ができる人をどう育成していくのかという事に関心があり、カウンセラー教育、キャリアカウンセラー養成にも携わっています。
Q4
学生へのメッセージをお願いいたします。
アメリカのある高校生の言葉を紹介します。「いつでも人生のゲームプランを持っていることはよいことだ。
しかし、計画は鉛筆で書き、いつでもその手に消しゴムを持っていることを忘れないように。」
明日のことは誰にもわかりません。だから、日々の経験一つ一つを大切に、オープンで柔軟に、学生生活を送ってください。素晴らしい4年間でありますようお祈りしています。
教員紹介
氏名 |
本城 慎二 |
フリガナ |
ホンジョウ シンジ |
職種 |
特任教授 |
所属 |
教職課程 |
取得学位 |
修士(心理学) |
学位取得大学 |
明治学院大学 |
最終学歴 |
明治学院大学大学院文学研究科心理学専攻 |
専門分野 |
カウンセリング心理学 学校カウンセリング
キャリア教育 キャリアカウンセリング カウンセリングスーパービジョン |
研究テーマ |
高校生のキャリア発達と進路決定過程について研究しています。3年間、日々共に過ごす中で、生徒たちがどのようにして自分の進路を決めていくのか、その中でどのような援助が必要とされ、どんなサポートができるのかを考えてきました。 |
所属学会(役職) 及び受賞歴 |
日本カウンセリング学会 認定カウセリング心理士会理事
日本教育心理学会 日本スクールカウンセリング協議会 |
主要業績 |
?『カウンセリング大事典』(共著)2004年 新曜社
?『校長教頭のための児童生徒問題対応百科』(共著)2004年 教育開発研究所 ?『学校に生かすカウンセリング』(共著)2004年 ナカニシヤ出版 ?『キャリア教育実践プログラム』(共著)2008年 ぎょうせい ?『教職シリーズ7 進路指導』(共著)2012年 培風館 ?『キャリア教育推進の手引き』(作成協力者)2006年 文部科学省 ?『進路指導のより効果的な取組についての調査研究協力者会議報告』(作成協力者)2008年 国立教育政策研究所 ?『高等学校キャリア教育の手引き』(作成協力者)011年 文部科学省 ?キャリア教育指導者養成研修講師(東日本?西日本) 2006-2016年 独立行政法人教員研修センター ?日本カウンセリング学会認定カウンセリング心理士会理事 ?NPO法人 キャリアカウンセリング協会 特別講師 |